第224回学習会記録
日時:平成27年3月20日(金)18:30〜20:00
参加者:22名
内容:「出会い、つながり、図書館を変える! 〜つながりマインドを持ったライブラリアンになる!〜」
発表者:井上昌彦(関西学院大学 神戸三田キャンパス 図書メディア館)
自己紹介
・197×年、みかんの国松山市生まれ
・大学図書館(分類・分室新設)→ 知財本部 → 聖和短期大学図書館 → 現職
・図書館情報大学 → 大阪市立大学大学院 創造都市研究科(都市情報学専攻)前期課程
・空手家図書館員、マイ・ミッションは、「情報のチカラで、世界をもっと幸せにする!」。
[ここで時間を取って、数人で「つながりが大事というけどなぜ大事なのか」をお互いに話し合って、その結果を紹介した]
・先ほどの問い、実は解は一つではなく、正解もない。考えるヒントになればと思う。
本日の発表の目的
・皆さんの気づきのヒントに
・知識よりも、つながりマインド。それは、誰でも持てるものと感じてもらう
・今夜から、皆さんのアクションを変えたい。
この発表での結論
出会い、つながり、図書館を変える!
1. つながりの大切さ
こんなお悩みはないか?
・自館を良くしたいけど、いいアイディアが浮かばない
・立場の違いで、言いたいことが言えない
・よその図書館では、どうしているのか知りたい。
・頑張れば頑張るほど、温度差が出てきて困っている。
・ネガティブな感情にあたってしまったりすることはないか。
・「図書館ってヒマそうやな?」
・「残業せんでくれたら、それでええ」
・「そんなことする前に、本来の仕事があるやろ?」
・「お前が考えることちゃう」
そんなあなたに必要なのは、つながりと、仲間である
・つながりとは、まずは情報交換。そこから友人として日常の業務を超えて、図書館や教育の未来を語れる仲間を作ること。
・ライブラリアンの心(情熱)技(知識・スキル)体(健康・環境)のうち最近は技である知識やスキルよりも心、情熱が重要ではないか。
・つまり一番大切なのはつながり、情熱、ミッションではないか。
つながり、成長するサイクルと目的
・まずは外に出てみて高い目線を知ることが出来た。その後、自分で気づいて前へ進み、仲間と一緒に成長しているという流れ。
・これからは多少の技術よりも情熱を持って高い目的を持てる人たちがプロフェッショナルと呼ばれるのではないか。つながることは誰にでもできること。つながって、みんなで成長しよう。
2. つながりの技法
(1)名刺
・名刺は捨てられにくい。一定期間は持っていて見てくれることも多い。すごいツール。公的名刺はもちろんの事、マイ名刺も持とう。
・また、おまけを渡すと記憶が強まり、時がたっても覚えてくれる。
(2)ソーシャル・メディア
・基本は、TwitterとFacebookで、更にブログをお勧めしたい。
・TwitterとFacebookはフローで、ブログはストック。共感を呼ぶためのメディア
(3)勉強会・研究会への参加
・参加して、知識、つながりを得るだけでなく、自分が活躍するステージにもなる。
・講師の方の事前のリサーチ。講師はどんな人か、何の話をする予定か調べる。早く来て、前に座る。
・休憩時間は、つながるチャンス。席に座ってお茶を飲むなんてもったいない。
・質疑応答は最初に質問することで顔を覚えてもらう。質問することは大事であり、後で質問するぐらいならその場でするべきである。
・なるべく懇親会に参加する。話し合うことで仲良くなれる。
・自分からお礼のメールを送ると、たいていの人が返信してくれる。
マイ・ミッション、セルフ・ブランディングの勧め。
・ミッションとは、行動する中で、価値観を見つめ直して可視化する事。発表者も数年かかって見出した。
・ミッションの次の段階として、セルフブランディングを行う。
伝わる言葉
・ここが図書館員が一番弱いところ。価値を伝えないと魅力はわからない。伝わらないと意味がなくなる。
・まずは自分の職場から。必ず名前をつけて挨拶をする。
・個人として話しかけるべき。「委託さん」、「派遣さん」、「業者さん」、「職員さん」はだめ。
・この積み重ねが立場を超えた信頼・仲間を作る。自分の価値を高めて必要と思ってもらう
・つながり、成長することで自分の価値が劇的に変化する。
3. とある空手家の実践例
このようなことをするに至った背景
・知財本部にて人生初の挫折、リーダーの重要性、自己肯定感の渇望を実感。
・図書館に戻った時にニックネームとして「空手家図書館員」を名乗る。覚えやすく、語呂・語感がいい、本人にあったときのサプライズなどを考えて付けた。
・マイ・ミッションと行動指針を作成。やるからには一目置かれたいというのもある。
実際の活動について
・マイ名刺&ミッション・カードを作成して会う人に渡している。9割の人が好意的に受け取ってくれる。
・ソーシャル・メディアの運用。ツイッターやフェイスブックはブログへの誘導のために使用。
・この4年間で延べ1,500-2,000人とつながっている。情熱と積極性だけでこのようなつながりが持てているので、誰でもなれるはず。
実践例(自分の図書館を変えた事例)
・短大の図書館のボスになって日本一挨拶が飛び交う図書館へ変え、4年間で入館者を2.4倍にした。
・業務委託の人とも100点満点の満足感を持っている。
・職場で出過ぎる杭を目指して、教員とも話し込む。館内のメルマガも発行した。
・本当にやりたいことをやることが大事だと思うようになった。
4. まとめにかえて
ライブラリアンは専門職?
・求められる知識・スキル・役割の変化。スキル・知識は主役ではなくなった。
・伝統的サービスが勝ち取れなかった評価。つまり情熱、心が大切ではないのか。
成長のロジック
・6勝4敗でも大丈夫。挑戦しないよりは良い。やってみてダメなら撤退すればいいだけ。
・少しでも成長していく。続けていけば大きな成長になる。
・人とつながり、気づいて、考えたことをどう活かすか。すべて現場のため
一歩だけ、踏み出そう!
・研究会・勉強会への参加
・思い切って挨拶してお礼メールをする。
・Webで発信して、学びを周囲へ伝える。努力のモチベーションにもなる
・利用者からの「ありがとうございます」の声、社会に種を蒔く仕事であり、仲間の存在が大切である。
今日の結論
出会い、つながり、図書館を変える!
参考ブログ:「空手家図書館員の奮戦記」(http://karatekalibrarian.blogspot.jp/)
感想・質疑応答
感想:スタッフに向けてのブログを書いているが、派遣さん、職員さんとの呼びかけに違和感があった。その違和感をブログに書いたら多くの反響があった。そう思っている人は多いのではないか。
Q:学生からのお礼の手紙があったという事だが、私の大学では利用が少ない学科がある。どうやって心をつかんだのか?
A:一番のおすすめはあいさつ。無愛想なのが残念だと思う。学生と向き合おうという心構えになる。この図書館に歓迎されているなと思ってもらう事をしたのが学生の心をつかんだと思う。
Q:壁を取り除くとあったが、いろんな立場がいて、個人名では呼ばれたくないと頑なな人がいたが、そういう時はどうすれば良いか?
A:私の場合は良いスタッフが多かったのでそのような問題はなかった。もしかしたらその他大勢の一員として扱われていると思い混んでいるのではないか。そうではない事を伝えることが大事だと思う。特別なことはいらない。素直に思ったことを言う事だと思う。
Q:一委託職員の経験として、そんなに働かなくてもいいよと言われたことがある。上司がわかってくれていたら何とかなるのではないか?頑張る人を見つけてその人とつながることを考えていけばいいのではないかと感じた。
A:今の図書館でも同じように変えていこうとしているが、上手くいかないので、まさにおっしゃた様に熱心な人を見つけてつながろうとしている。
Q:私は大学図書館を使っているが、挨拶をする職員には会ったことがなかった。挨拶があればまた来たいと思えるので良いと思う。
A:その通りで、挨拶は認め合い、お互いを尊重する行為だと思う。
Copyright © 京都・情報図書館学学習会. All Rights Reserved.