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学習会記録(第215回)


日時:2014年4月18日(金)18:30〜20:00
参加者:18名
内容:「DUALISはじめました ☆出会いが生み出すCHEMISTRY☆」
発表者:同志社大学社会学部 佐藤翔

■DUALIS前史のお話
・同志社大学司書課程は今年62周年。ある時期から資料を置いておく専用の司書課程資料室を持つようになった。
・その後什器が入り、受講生の溜まり場となる。20年以上前から活動していた記録があり、他大学生も出入りしていた。
・途中部屋の移動があり、教室が併設されたりして授業ができるようになる。
・現在、広さはこの会場(京都府立医科大学附属図書館2階AVルーム)より少し広い。
・就職活動の勉強、司書課程の準備や近隣の小学校図書室のボランティアをしていたが、ここ数年は週一の勉強会ぐらいしかなく、「溜まり場」という感じではなくなっていた。
・2011年に着任した同志社OBの原田隆史先生が復活させ、2012年に発表者が着任したとき、資料室に両者のデスクを置いて、本来の研究室はサーバールームとした。できるだけ資料室にどちらかが待機するようにしている。

ここで、現在のメンバーから活動内容を紹介。紹介者は、西本千夏さん(同志社大学3回生)。
DUALISは原田先生が命名。Doshisha University Association of Library infomation Scienceの頭文字から。

■DUALIS 2013年度活動内容
・公務員試験、司書採用試験の過去問を使った勉強会(週3回)
・研究会等への参加および交流
・学生コンペ参加(阪急宝塚山手台サプライズ!グランプリ→審査員応援賞受賞)
・学会、講演会の設営、受付、庶務など
・図書館見学会(東京地区図書館、国際日本文化研究センター、京都府立総合資料館)
・2013年度図書館総合展ポスター発表→「われらDUALIS」というタイトルで活動報告ポスターを発表
・他大学との交流(立命館大学図書館研究会(立図研)、京都女子大学図書館学研究会「KWUICLS」)
・筑波大学知識・情報図書館学類の学生たちとの交流
・図書館業務、司書課程資料室運営のお手伝いや小学校図書館ボランティア
・DUALISラジオ 日文研の江上さんのラジオ(同立/立同ナイト)からスタート 月1回のペースで放送予定
 2014/02/28 第一回 京都府立総合資料館見学フィードバック DUALISラジオ図書館学
 2014/03/10 第二回 第175回ku-librariansの報告 立図研アメリカ図書館見学ツアー報告 KWUICLSの紹介
・その他イベント(バーベキュー、クリスマス、忘年会etc)

■発表者による補足
・ラジオは放送日が決まってから原田先生、発表者の都合を聞かれた。機材は原田先生のおかげで充実したものに。
・成果は無茶振りしても受け取ってくれる人材がいること。
・本日予定していた(学生の)紹介者は体調不良で来れなかったが、しっかりした代役が居る。有り難く、誇らしいことである。
・遊んでばかりでもいい。人とのつながりが大事である。
・冒頭でも触れたとおり、DUALISになったのは最近だが、元々勉強する人はいた。

■「恒常的にたまれる場」があることの意義
・60周年記念誌の依田紀久さん寄稿より「はやりものと言われたりもするラーニングコモンズだが、私には、その姿が司書課程資料室の思い出と重なる…学ぶための会話が生み出される場所だった」。
・ラーニングコモンズ(以下、LC)とは比べ物にならないほど低コストだったが、学ぶための会話、空間は司書課程資料室にもあった。
・依田さんの言葉から思い浮かべずにはいられないLCがある。2008年筑波大学春日キャンパスにオープンした「春日ラーニングコモンズ」(以下、KLC)。
・単なる空き教室だったが、PC4台、机、プロジェクターを設置。「行けば誰かがいる部屋」となるように学生スタッフが常駐。
・平日の15〜19時に発表者が1年間常駐し、同志社大学LCの教員である岡部先生他、スタッフの溜まり場になっていた。
・プログラミング、就職活動、勉強など質問を受けていた。教室が本当に端の方にあったので利用は1日4〜5人。現在は図書館の一角にKLC(http://klis.tsukuba.ac.jp/lc/)はある。
・LCにはアドバイザーが必要と言う考えの先駆的な試みだったが、時代を先取りしすぎた感がある。

■サブタイトル「☆出会いが生み出すCHEMISTRY☆」について
・KLCが岡部先生との出会いの場であり、そこから共同研究をするまでの仲になった。
・二人の研究テーマに接点はなかったが、岡部先生から共同研究のオファーがあった。
・研究発表で情報メディア学会のポスターセッションで賞を貰う。その経緯を岡部先生が筑波大学の同窓会雑誌に掲載。
・この時タイトルを付けずに提出したところ、編集に今回のサブタイトルを勝手に付けられた。確認無しでWebに載せられ、自分の中では黒歴史である。
・他分野の人と関わることの大切さを知る。教員になってから出会っていたら、ぶつかってばかりだったと思う。
・以上のことから「KLC最大の成果は、発表者と岡部さんを仲良くしたこと」だと公言している。

■類似例:図書館情報学チャンネル「Lie」(Library and Information Engineering)
・図書館総合展「L-1グランプリ2010」のチームをきっかけに、筑波大学の学生が立ち上げたプロジェクト。
・毎週金曜日20時にUstreamで放送。3年以上経ち180回以上放送している(http://project-lie.org/)。
・小野永貴(オノハルキ)千葉大学アカデミックリンクセンター特任助教(KLC出身)や吉田光男豊橋技術科学大学助教と一緒に放送。

■まとめ
・情報系を専攻してはいたが、教職課程を取る目標もあった。そのついでに司書教諭も取得。教職を取るための居場所を求め、KLCに辿りつく。
・KLCは時代の徒花だったが、後の時代を担う人間を育てる場になっていた。
・学内に研究室とは違うKLCの存在意義はあったと思う。色んな分野の人が集まることでCHEMISTRYが起こる。
・集まる頻度が高くなれば仲良くなり、さらに集まりやすくなる。そして、仲良くなると気安さから頼みごともしやすくなる(時には無茶振りも)。
・仲良くなるということについて、定量的には計れないが、定性的にみると、KLCは最大級の成果を挙げたのではないか。
・DUALISはKLCの西バージョン。京都市は筑波と違い、狭い範囲に大学が多い。大学が多いということは学生も多く、何か面白いことが出来るはず。
・成果の一例として、DUALISに所属していた学生の大学院進学を後押しし、図書館学に引きずりこめた。
・京都は社会人が参加できるコミュニティが多いので、元々京都に来たかった。
 例:近畿地区MALUI名刺交換会。使う名刺にはDUALIS所属と記載。

■最後に
・西から全国を取りに行く!
 現役、学生、双方のネットワークを駆使し、多くの人材を育成して京都から日本の図書館界・図書館情報学界へと送り込みたい。

質疑応答
Q1:同志社大学の司書課程の規模は?
A1:全学部が受講できる。最初200人ほど出席し約100人が修了。公務員志望者数と相関関係にあり、不況だと受講者が増える。図書館就職まで考えている人は受講者のの1/10ぐらい。
参加者より:立命館大学では受講生は少ない。理由は、文学部でないと受講できないため。
Q2:関連して、京都女子大学図書館学研究会「クイックルズ」(KWUICLS:Kyoto Women's Univ.Intellectual Community for Library Studies)について教えてほしい。
A2:この四月から始動。メンバーは10人ぐらい。カレントアウェアネスを使った勉強会である。桂ゼミとKWUICLSのコラボ企画として、四月末にビブリオバトルを開催予定。
発表者:DUALISも去年ビブリオバトルの企画はあった。今の話を聞いて、DUALISラジオで立図研とKWUICLSのビブリオバトルを生放送してみたい。
Q3:KLCのスタッフは専用だったのか? 図書館業務(配架など)は行っていたのか。
A3:現在のKLCはLC専用スタッフ。ティーチングアシスタントのような感じで常駐。
  専門に特化した質問に答えるというより、1・2回生が初期に躓く授業の質問や、履修に関する質問に答える。例としては、必修であり、躓くことが多いプログラムに関する相談。
  最近同志社LCでも学生アドバイザーの制度をはじめ、院生スタッフが常駐している。あらゆる分野の質問を専任教授がカバーできるわけではないので、フォロー役として院生スタッフをおいている。
Q4:筑波大学の呑海沙織准教授の講演の中でLCの定義として、チューターの存在が挙げられていたが、専任教員を指すのか、院生スタッフも含めるのか?
A4:院生も含む意図でチューターを表現していたと思う。
Q5:立図研の紹介をして欲しい。
A5:立図研はDUALISほど大きな規模ではないが、その分機動力が売りである。最近二回生が多く入った。他大学の研究会とも交流したいと思っている。
Q6:有志が集まる場所や参加動機は?
A6:司書課程を取るにあたり、必要な事務手続きををする場所にビラを置かせてもらったり、説明会で発表をさせてもらって広報している。これらがきっかけで入る人が殆ど。他には岡部先生、原田先生、知人の呼び込みもあった(LC内で司書希望と言う話をしていたら勧誘された)。
  DUALISのマークにもなっているティーカップにも関わりのある、紅茶サークル経由(お茶とお菓子に釣られたともいえる)の人も。
参加者より
・立図研は去年、授業で告知した。今年は履修ガイダンスで告知。二回生は二人で、全体で10人。部屋は司書課程共同資料室。たこ焼きパーティーを開催したところ、20人ほど興味をもった人が来た。また、司書課程を受講してない人も、LS(図書館スタッフ)つながりの口コミでやってきた。
・KWUICLSも去年桂先生の街カフェ参加を機に立ち上げ、今年同好会として申請中。よって、まだ部屋はない。京都女子大学は同好会でないとビラ配りができないので新入生より、二〜四回生を対象に口コミで勧誘。現在ランチのときに活動。また、月に2,3回(桂先生の)研究室で勉強会をしている。
Q7:京都情報図書館学学習会はどのようにして始まったのか?
A7:詳細は第200回記録を参照。初代世話役たちが府立医大で開催するようになり、次第に広まっていった。最近はHPでの広報、KU経由などで参加する方も。組織を超えて集まる会でもあるのが特徴。
Q8:L-1グランプリが開催されなくなったことについて。
A8:プレゼンバトルは面白くなかったということなのだろう。また、1チーム5人のメンバーを集めるのはハードルが高く、横浜までいけるとなると更に難しい。要因は多々あるが、図書館のことを分かっている審査員なのか?と、参加者・会場ともに不満の声があった。
  今年復活の兆しがあるらしい。人脈を広げるきっかけとしては良いと思う。





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