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学習会記録(第206回)


日時:平成25年6月21日(木)
参加者:12名
内容:「MLA(Medical Library Association)2013参加報告」
発表者:山下ユミ(京都府立医科大学附属図書館)


1 MLAとは
 米国医学図書館協会(Medical Library Association)
 米国の医学図書館専門職団体。 
 機関会員 約700機関  個人会員約3500人

2 MLA2013とは
 「MLA Annual Meeting and Exhibition 2013」
 MLA Annual Meeting and Exhibitionは毎年開催されている。
 2013年は第113回。第1回は1898年。
 2013年は5月3日〜8日までボストンで開催。
 参加者2700名。
 参加費 $365。(早期割引・会員料金・会議参加のみ)
 継続教育(CE)コースの参加費は$200〜400。

3 MLAに参加する理由・目標
 医学・医学図書館の先進国で新しい情報を入手する。
 2013年はICMLと共催なので情報量が例年より多い。
 世界中の医学図書館員と交流。
 アグレッシブな図書館員との交流でモチベーションのアップ。

4 基調講演
 MLAにはPresidentがいる。会員の中から選任。
 Presidentに選任されると、色々な教育を1年受けてスピーチできるよう教育を受ける。
 Jane Blumenthal による President Address
 招待講演→ Richard Besser 医師・ABCニュースエディター
 受賞講演→ Joanne Gard Marshall

5 International Visitors Reception(海外参加者のためのレセプション)

6 ポスターセッション
 約300のポスターが参加。
 ポスターセッションの時間が会期中3回あり。
 発表者は指定の時間にポスター前でスタンバイ(1時間ほど)。
 デジタルポスターもあった。

7 ポスターセッションでの発表内容。
 「Information Literacy Classes for Medical Students : A Survey in Japanese Medical Universities」
 日本の医科大学での図書館による大学生への情報リテラシー教育調査。
 図書館員はリテラシー教育を学生に対して行う十分な時間と機会を得ていない。
 →セッションを通じてアメリカでも同じ状況があることがわかった。

8 各種ミーティング
 ラウンドテーブル 興味のあるトピックを話しながらランチ。少人数での情報交換。
 企業展示 約120のブース 有名どころとして、
 Elsevier、EBSCO、McGraw-Hill、Ovid、NLM(National Library of Medicine) 今後の計画、最新情報が得られる。

9 継続教育コース(CE)
 ・Prezi
  クラウドベースのプレゼンテーションツール 
  若い対象者向け、短いプレゼンに効果あり。
  ネットワークが必要。
 ・Jing & Screencast
  データベース使用手順などをビデオとして保存し共有するために組み合わせて使うソフト。
 ・Game-Based Learning
  ゲームをしながら情報リテラシーを身につける。
  日本でもゲームを作る学部の協力が得られれば作成できると思った。
 ・LibGuides
  パスファインダー支援ツール。 
  アメリカを中心に世界で約4000館が導入。
 ・Keynote for iPads

10 図書館見学とボストン観光
 ハーバード大学医学図書館見学。日曜日なので閉まっていたが、New England Journal of Medicineの編集局が6階にある。
 ハーバード大学には附属病院はないが、周囲に4つの病院があり、その一つのBrigham and Women's Hospitalの患者図書室を見学した。
 郊外セーラム・ボストン美術館・ボストン交響楽団を訪問。

11 まとめ
 ポスターの出来は上々、反応も良かった。
 英語は上達していたが、目標であった90%の聴きとりはもう少し(60%は聴き取れたと思う)。
 和装の評判は良かった。
 日本から一緒に行く人がいる方が多くの情報を入手して交換できるので効果は上がる。
 医学分野の図書館員ならば、一度は行くと良い。

12 質疑応答
 Q1:アグレッシブな人とは友達になれたか?
 A1:優しい人と仲良くなった。年配の人を見ているとPC操作が苦手な人もいた。

 Q2:布のポスターを頼んだ人は多いか?
 A2:布が主流。布は持ち運びが便利。業者はインターネットで探した。野外用と室内用がある。

 Q3:布のポスターの耐久性はどうか?
 A3:畳んだ折り目はついた。剥がれはなかった。
   割り当てられたボードからはみ出ているポスターもあった。
   ポスターの横に名刺入れを添える工夫をしている人もいた。

 Q4:ポスターの内容にあるグラフはどのようなものか?
 A4:詳細は「医学図書館」60巻1号 (2013年) にも発表。

 Q5:英語は普段どのように学んでいるか?
 A5: Skypeによる英会話レッスンを毎日受けている。また、瞬間英作文という本を使っている。

 Q6:日本の論文を英訳したものは売れるのか?
 A6:どうであろうか。そもそも興味を持ってもらえるのだろうか。

 Q7:I'll get itはすぐに見ることができるか? (当日ネットの不調により見れなかった)
 A7:検索すればすぐに見つかる。以下URL。
  https://libwebspace.library.cmu.edu/libraries-and-collections/Libraries/etc/game2/game2.swf

 Q8:他人の発表を見にいけたのか?
 A8:見にいけた。隣のポスターが大人気。臨床系も人気があった。台湾の学生寮に図書館を荒らす人を探すためにカメラを設置した内容をプレゼンしたものが印象に残っている。

 Q9:募集など発表までの流れについて。
 A9:9月頃に演題募集があった(今回は共催なので早かった)。普通は11月頃。なお、アメリカ+カナダ以外はインターナショナル扱い。

 Q10:CEの時間はどれぐらい?
 A10:私が受けたコースの場合、10:00〜15:00(昼食を挟む)。5つの項目を5時間でこなす。






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