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学習会記録(第199回)


日時:平成24年11月15日(木)
参加者:12名
内容:「ブエノスアイレス図書館&本屋案内」
発表者:祖父江長良(京都府立総合資料館)

夏休みの旅行の中で立ち寄った図書館の報告。

◎ブエノスアイレス市
 ブエノスアイレスは南半球にあるアルゼンチンの都市。日本との時差は-12時間。
 8月に行ったので季節は冬。
 治安は悪いので一人歩きはしてはいけないと言われていた。
 しかし、そう言われながらも一人歩きをしたが、無事帰って来れた。
 京都市国際交流会館で事前調査をしてブエノスアイレスの地図をコピーして持っていったことが役に立った。
 「7月9日」通がブエノスアイレス市のメインストリート。
 「7月9日」通にあるコロン劇場(2012年5月リニューアルオープン)の有料見学ツアーにも参加。
 英語とスペイン語の案内があり、当日はピアノのリハーサルが聴けた。

◎ブエノスアイレス市立図書館
 「7月9日」通の一本西側のタルカワノ通にあり、市内30館のうちの1館。
 入口がわかりにくかった。
 最初に対応した職員は英語が通じずスペイン語しかしゃべれなかった。そのため、スペイン語がわからない発表者との会話がうまくできなかった。
 しかし、なんとか意思は通じて次の目的地への道順を案内してくれた。
 この職員の次に対応してくれた図書館機構の女性職員は、発表者が児童書に興味があるとわかると目的にあった図書館を案内してくれた。

◎コルドバ通の図書館
 図書館に入館しようとすると、職員から漏水修理の補修工事のため休館中であると告げられた。

 参考までに 
 アルゼンチンでは表記はスペイン語のため「biblioteca」で「library」という表示ではない。
 OPACで京都を検索するときも、スペイン語の表記は「KIOTO」のこともあり、これで検索すると川端康成の作品が2件ヒットした。

◎ダンテ図書館
 トゥクマン通にあり、日本の公文式の塾が近くにあり驚いた。
 イタリア語の資料が中心の図書館か。
 
◎ICANA-Biblioteca Centro Lincoln(学校併設の図書室)
 学校側の入口から入館したが図書室へ案内してもらえた。
 OPACの使い方を教えている風景も見られた。
 4館目にして初めて利用案内をもらった。
 利用案内には年会費が必要な会員制図書館と書いてあった。
 英語を学ぶ人のための図書館。
 TOEICの受験資料など、殆ど英語の資料だったので配架などは何となく分かった。

◎エルアテネオ書店
 サンタフェ通(レコレタ地区)にある。
 「世界の夢の本屋さん2」のカバーにもなった書店。
 元劇場を本屋に改装しており、観光客の来店も多い書店。
 日本関係の図書では「origami」という本が販売されていた。
 児童書のコーナーも充実。
 書籍検索用のパソコンがあるが、キーボードの文字がこすれて読めなかった。
 発表者は「LA BIBLIOTECA」という図書館学の図書を100ペソで購入。

◎カルロス・カルデル博物館
 タンゴ歌手カルデルの生家をそのまま博物館として公開、列品解説もある。
 台所などそのまま。飾ってあった団扇に「KIOTO」の文字があった。

◎地下鉄
 地下鉄B線カルデル駅から乗車。 
 車両は元「東京丸ノ内線」のものを使用し、日本語表記が車内に残っていた。
 ブエノスアイレスは電車、バスともに車体への落書きが多い。
 その他、物売りやスリなど物騒なことが多いと聞いていたが被害には遭わなかった。
 ラプラタ川近くの終点、N・アレム駅で下車。

◎中央郵便局
 記念切手を販売している。
 郵便局で購入した切手は"Capital mundial del libro 2011"記念のものです。
 <参考>カレントアウェアネス・ポータル2011/5/13
 ポストも落書きだらけ。
 郵便局は番号札が必要で順番待ちに大勢の人がいた。

 参考までに
 外貨の両替は円からペソへ直接両替ができないため、一度ドルに両替してからペソに両替する。
 カードは使いづらく、紙幣はテープで補修されヨレヨレ。

◎国立タンゴアカデミー博物館
 中央郵便局から「5月」通を西に移動した所に立地。
 ブエノスアイレス最古のカフェ・トルトーニ併設。
 欲しいCDを展示品の中に見つけた。

◎国立音楽図書館 
 メキシコ通にある。
 開館時間は午後から。午前中の訪問だったため、警備員に入館不可と言われた。
 図書館員から警備員に特別に見学の許可を求めてもらったが見学は出来なかった。

◎議会図書館
 「5月」通を更に西に進み、見つけた「biblioteca」(図書館)である。
 入館時に利用案内と館内案内図をもらう。
 入館のセキュリティーが厳しく、パスポート原本の提示が求められた。
 所持していたのはパスポートのコピーだったが、免許書(+保険証)も併せてコピーしていたのが良かったらしく、一度は入館を断られるが最終的に許可され入館。

 ワンフロワー。館内の各部屋はガラス張で書庫まで見通せたが、閉架式のため気軽に使うことは出来なかった。
 OPACで「KYOTO」を検索すると議会図書館だけあって、地球温暖化防止京都会議COP3関連の報告書がヒットした。

◎CDと書店
 コリエンテス通りは書店街で小さな書店が多く、3軒に1軒が書店であった。レコード店もある。
 ・ZIVALSシーバルス
  乾千恵著の『音楽との「みち」』でも紹介されたレコード店。
  デジタルカメラで購入希望のCD画像を店員に見せて在庫確認をしてもらったが品切れであった。
 ・CD ISQUERIA
  老夫婦が経営する中古レコード店。
  国立タンゴアカデミー博物館で見つけたCDを購入することができた。

 参考までに
 タクシーでの移動はぼったくりなどの危険を伴うので注意が必要。
 細い道は一方通行のため遠回りになることもある。

◎レコレタ地区
 ブエノスアイレスの中で安全を感じる地区。
 ジョギングや犬の散歩をしている人も多く生活のゆとりを感じた。

◎アルゼンチン国立図書館
 レコレタ地区にあり、200年の歴史がある図書館。
 閉架式図書館で館内撮影は禁止。
 BDSを通る前に荷物をロッカーに預けることを求められた。
 複写室はあるがセルフコピーではない。(図書館だけではなく文具店もセルフコピーではない。)
 フロアーは「0階、1階の順で数える。」
 展示室は受付を通って入室、新館が完成するまでの関連資料が展示されていた。
 国立図書館については「図書館雑誌 2004年12月号」に「第70回IFLAブエノスアイレス大会の報告 宮部頼子著」も参考にされたい。
 併設のカフェで飲食できる。
 グッズ売り場の店番は親子。200周年記念グッズを販売していた。数字を英語で言ってくれたので安心して買い物ができた。

◎ボルヘスのいた図書館
 ホルヘ・ルイス・ボルヘス(1899〜1986年 作家「バベルの図書館」等)
 1937〜46年ブエノスアイレス市立図書館司書 1955〜73年アルゼンチン国立図書館館長
 <参考>ウィキペディア,国立国会図書館月報586号p11

◎福島県川俣町へ
 アルゼンチン往復で獲得した15000マイルを用いて福島へ行った。
 フォルクローレ音楽祭に参加。(アルゼンチンで開催されているコスキン祭の日本版)
 アルゼンチンに行った同行者から得た情報。
 合わせて公民館図書室を見学。
 ・情報検索のサービスやツールは充実
 ・活動的な図書室。
 ・現在は震災の影響で町役場が公民館に仮移転しているため手狭。

◎ブエノスアイレスの総括
 市内を歩くと図書館がどこにでもあり、見落としもあったかもしれない。
 閉架の図書館が多かった。
 しかし、図書館の数が充実しているのは凄いこと。
 館内は静かで利用者は黙々と読書をしていた。
 書店は充実。
 公共施設には国旗が掲揚されているので道を尋ねるときなど目印になった。








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