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学習会記録(第168回)

日時:平成21年10月15日(木)
出席者:7名
内容:「検索のプロになろう 〜情報検索能力試験受験のすすめ〜」
発表者:藤原 直幸(京都府立総合資料館)

情報検索基礎能力試験、情報検索応用能力試験(1級・2級)について概要を解説し、試験問題に挑戦してみた

  ○情報検索能力試験について
・INFOSTA(情報科学技術協会)による資格試験
・INFOSTAは1950年創立、会誌『情報の科学と技術』を発行、「情報プロフェッショナルシンポジウム( INFOPRO)」を開催
・情報検索能力試験の前身はデータベース検索技術者認定試験(通称:サーチャー試験)で、2003年度より現在の名称と区分に変更
・試験区分は、基礎及び応用(1級・2級)

○情報検索基礎能力試験について
・受験資格はなく、応用2級との同時受験可
・情報を検索・活用する基礎知識を認定
・試験内容は2コースあり、Aコースは情報学関連の学生、企業の情報管理担当者対象、Bコースは情報リテラシーの習得者対象
・試験問題は多肢選択式で、共通問題は情報一般、情報検索およびコンピュータについての基礎的知識を問う
・選択問題はAコースは情報管理について、Bコースは情報の活用について出題される
・難易度は大学1,2年生が取得可能なレベル

○情報検索応用能力試験(2級)
・受験資格なし、情報検索結果の評価及び加工の知識、企画力やコンサルティング力を認定
・情報検索業務従事者や情報検索に関心の深いエンドユーザーが対象
・試験は前半多肢選択式、後半記述式
・情報検索システムやITに関する知識、情報の要求者とのコミュニケーション能力に関して出題
・難易度は日常的に情報検索している人が取得可能なレベル

○情報検索応用能力試験(1級)
・2級合格者のみ受験可能
・専門分野として「ライフサイエンス」、「化学」、「特許」、「ビジネス」、「総合」の5分野を設定
・情報検索に関する高度な知識のほかユーザーの教育、マネジメント能力を認定
・試験は、論文試験および記述式試験による一次試験と面接による二次試験
・2級より更に幅広い知識が必要で、プレゼンテーション能力も問われる

○時間・会場・期日
・午前に基礎能力試験、午後に応用能力試験が行なわれ、会場は東京・大阪他7会場
・2009年の試験日は、11月22日(日)である

○参考テキスト等について
・基礎能力試験
『情報検索の基礎知識 新訂版』(原田智子ほか著 2006年刊)
・応用能力試験2級
『情報検索の知識と技術』(時実象一ほか著 2007年刊)
「情報検索応用能力試験2級受験の手引き」(http://www.infosta.or.jp/shiken/2tebiki2007.html
・過去問と回答はINFOSTAのサイトから入手できる(http://www.infosta.or.jp/shiken/shikentop2.html

○試験対策セミナー
・情報検索基礎能力試験対策セミナー
 東京と大阪で開催、問題の解き方や関連知識の解説がある
・サーチャー21講座
 応用2級の対策セミナー、参加費は高額

○受験者数
・基礎試験の受験者数は、2004年の611名から少しずつ増え、2008年は805名受験、合格率は毎年80%強
・応用2級の受験者数は、2004年の200名から2008年の279名へと増加、合格率は毎年45%前後

○受けて感じたこと
・基礎は大学生から中高年まで幅広い年代の人々が受験し、応用2級は現在情報検索業務に従事している人が多い印象
・基礎試験はテキストからほとんど出題されており、情報検索やインターネットの基本知識を身につけていれば合格できる
・応用2級はテキストからの出題は半分ほどで、最新の情報に精通している事が求められる
・INFOSTAの会誌、『情報の科学と技術』の話題は出題されやすいので確認しておく
・記述式は共通2問、選択問題が1問あるが、図書館職員でも回答しやすい設問があった

○私の推奨する試験勉強方法
・テキストを読んで試験に必要な知識を掴み、過去問を解く
・応用2級についてはデータベースを体験し、サーチエイド(検索ガイド)も活用して特徴を知っておく
・雑誌、インターネット等で最新の情報を収集する

○合格して
・試験勉強で得た情報検索についての知識が利用者へのレファレンスに対しても有効に生かせている
・コミュニケーション能力にも自信がつき、余裕を持って対応できるようになった

○試験問題に挑戦
・過去の基礎能力試験問題から6問を出題し、実際に解いてみた。その後、発表者が解答と解説をおこなった

○最後に
・現代の図書館員には必須の検定なので、皆さんも是非受けて欲しい

Q&A
Q.過去の問題と同じものが出題されたことはあるのか?
A.今までの問題は参考程度。特に応用2級は新しい情報に関する設問が多い。

Q.問題数は試験時間内に解ける量か?
A.基礎試験は知識がある受験者にとっては時間的にも余裕があるだろう。応用は確実に知っていないと解けないので、時間は足りないぐらいだった。

Q.受験料はいくらか?
A.基礎は4000円、応用2級は6000円、応用1級は10000円となっている。

Q.試験で問われるデータベースのうち、自由に利用できるものはどのくらいか?
A.商用の総合データベースに収録されているデータベースが多いので、ほとんど有料ではないか。

Q.基礎試験のAコースとBコースは問題を見てから選べるのか?また、両方混ぜて解答することは可能か?
A.コースは試験問題を見てから選ぶことができる。問題を混ぜて解答することはできない。

Q.合格証には、選択したAコース・Bコースの記載があるのか?
A.選択コースの記載はない。

Q.基礎能力試験のテキストには、2コース両方の内容が入っているのか?
A.そのとおり、両コースの内容が含まれる。

Q.受験の動機は?また試験の準備期間はどのくらいであったか?
A.JLAのメールマガジンにあった研修情報で初めてこの試験のことを知り、興味を持った。試験勉強は1ヵ月程度だった。




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