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学習会記録(第154回)

日時:2008年4月17日(木)
出席者:8名
内容:「京都大学附属図書館見学」

・大学の沿革
1897年6月京都帝国大学創立
1899年12月京都帝国大学附属図書館創立
1987年6月理工系外国雑誌センター館に指定
2005年4月京都大学図書館機構発足
・大学組織
大学院・専門職大学院(19)、学部(10)、研究所(13)
センター(17)、附属図書館、機構(6)
・大学構成員
大学院生9,377人、学部学生13,381人、教員2,882人、その他の職員2,238人
キャンパスは京都市以外にも大津(滋賀)、犬山(愛知)、宇治(京都)、熊取(大阪)とある。
・京大の図書館機構について
京大全体で蔵書数は約622万冊、雑誌種類は約10万誌。提供電子ジャーナル数は約1万8000タイトル、データベースは約60種類提供している。
蔵書数は国立大学内で第3位。年間受入数は図書約14万冊、雑誌約2万3000誌。H17年度年間資料費総額は14億8500万円である。
図書系職員数は常勤職員117人、非常勤130人。図書室は学部や学科などに55館あり、それぞれ独立している。うち職員2人以下の館が33館ある。

・京大附属図書館について
蔵書は87万冊(うち和書は60万冊)。平日は9時〜22時、土日祝日は10時〜17時。利用者は2,500人/日。夏休みなど繁忙期には一日8000人にもなる。貸出は年間14万冊、7万8000人。
Webcat−ILLを利用しての相互複写は1年間で、複写依頼が5,652件、複写受付が12,024件ある。
・京大附属図書館の役割
バックナンバーセンター:利用頻度の低い雑誌を各部局から集中しておく。
情報発信館:貴重書データベース、リポジトリ図書館、博士論文など学内成果物を発信。

・京都大学図書館機構の中心事業
1.学術情報基盤の整備
電子ジャーナル・データベース、目録遡及入力、大型コレクション・学部学生用図書、図書館業務システムの整備
2.サービスの拡充:学内デリバリーサービス
3.研究成果の発信:学術情報リポジトリ
4.図書館職員研修:講演会、実務研修
5.公開事業:公開事業、公開企画展
・全学図書系職員の積極的な関わり
学内各種委員会・部会・WG
図書館協議会:特別委員会(情報資源、図書館サービス、図書館業務体系、認証システム)
図書系業務改善検討委員会:部会(情報資源管理、図書館サービス、情報処理、能力開発・研修、資料保存環境整備部会)

・学外との連携
大学図書館間の連携が強く目録、雑誌の共有などを行なっている。
・大学図書館近畿イニシアティブ:2005年発足、4つの大学図書館組織で構成され、計130以上の国公私立大学図書館が参加、地域で共同で研修等を行なう)
・京都大学図書館機構の基本理念と目標(平成19年3月制定)
http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/modules/about/index.php?content_id=15

館内見学
3F
・メディアコモン
マルチメディアを閲覧できるブース。CD5000枚、DVD700点を所蔵している。この部屋から外へ資料は持ち出せない。
・情報端末室
パソコンが置いてあって学内の人ならば誰でも使用できる。
・閲覧室
無線LANと各机に情報コンセント(LANの差込口)があるので持参したパソコンでインターネットができる。
2F
・開架スペース(配架10万冊、閲覧1000席)と閲覧室。京大のOPAC、電子ジャーナル、データベースが使えるサイバースペースがある(OPAC以外は館内限定)。全集コレクション(片田文庫)1万4000冊がある。メディアコモンにも片田氏寄贈のクラシックCDがある。
洋書は部局のほうが多い。分類は今はNDLの分類を使用しているが、昭和58年以前に受入れた図書は京都大学独自分類となっている。
各資料案内のリーフレット(パスファインダー)が充実している。
このリーフレットは京大図書館のHPにも載せている。(http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/modules/refguide/)
1F
カード目録:全部局分の古いカード目録を置いている。カードケースは高さが通常の半分で、多く収納できるようにしているものもある。
地下書庫
図書74万冊配架、貴重書庫(5万点うち図書4万点配架。国宝1点、重要文化財40点も含む)もある。
B上書庫:新分類の資料を置いている。古いものや全集類はこの下の階においていている。奥にマイクロフィルムと新聞、未整理の洋書が置いていある。
B下書庫:洋書等を配架。貴重書庫、特殊文庫、アジア研究所の資料もおいてある。
B2書庫:BNC(バックナンバーセンター)の雑誌、独自分類の図書が配架されている。ここでは明治以前の和書も混配されている。

Q&A
Q:一般利用者はどのくらいいるのか。
A:具体的な数字はわからないが、結構多い印象がある。卒業生にも利用カードを発行しているので、その区分での利用も多い。一般の利用者は自習室には入れないことになっているが、たまにいるようだ。

Q:学生は書庫に入れるのか?
A:学生証をカウンターで預けて、バッジをつけて入ってもらっている。

Q:学外者あてのとりおきを行なっているのか?
A:去年から始めたサービスで、電話でも受け付けている。雑誌や長期間のとりおきはできない。附属図書館のみのサービスだが他の部局図書館でも比較的自由に受け付けているようだ。



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