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学習会記録(第139回)

日時:2006年9月22日(木)
出席者:13名
内容:「IFLA参加報告」
発表者:柴田 容子(京都府立図書館)

8月に開催されたIFLAソウル大会の参加報告。写真や現地の印象、体験談などを交えながらの臨場感ある発表となった。

1.IFLAについて(大会パンフレットより)
IFLA:The International Fanderation of Library Associations and Institutions
目的:図書館情報サービスの促進・優れた図書館サービスの普及・世界中のメンバーの利益を代表
会員:約1,700の図書館協会 500,000の図書館 150ヶ国の専門家
主な活動:発展途上国の援助 知る権利と表現の自由 著作権 目録 保存と修復 ユニマーク
URL:http://www.ifla.org/

2.2006IFLAソウル大会
名称:World Library and Information Congress: 72nd IFLA General Conference and Council
大会テーマ:"Libraries: Dynamic Engines for the Knowledge and Information Society"
場所:at COEX Convention and Exhibition Center,Seoul,Korea
日時:20-24 August 2006
URL:http://www.ifla.org/IV/ifla72/index.htm

3.セッション(参加したもの)
 *詳細はIFLAホームページ参照 http://www.ifla.org/IV/ifla72/Programme2006.htm
70 SI - Newcomers Session(初参加者のためのIFLAの案内と交流の場)
77 SI - UNIMARC(ユニマークとユニコードについて:多様な言語を共有データ化できる。似ているキャラクタの識別などが課題だが今後期待)
85 Rare Books and Manuscripts(貴重書について:韓国の古活字版など。日本からは錦絵について発表があり好評だった)
88 SI FAIFE Debate(倫理委員会の討議:デンマークの新聞におけるイスラム教指導者の風刺画などについて、表現の自由は人類全ての権利か、適用されない場合があるのかについて、意見がだされた。資料の受入判断および受入後の批判に対する図書館としての覚悟についてなど。*参加者はヨーロッパ系が多かった)
98 Quality Issues in Libraries(デジタルレファレンスについて)
Question Pointへの議論が多く、注目と期待が感じられた。
102 SI - IFLA-CDNL Alliance for Bibliographic Standards ICABS(変化する目録の役割について)
Googleやアマゾンなどの目録に代替するメディアやエージェントが登場する中での図書館の目録の役割/出版量の増加への対策(British Libraryでは、目録作成には政府の援助を受けている)/ベテラン図書館員の再教育と若手の育成が課題)
118 Reference and Information Services(レファレンスのマーケティング:ex.ギリシャにおける文書館・博物館との協力など)
123 SI - Cataloguing(次世代の目録について)
130 SI - Division III(未来をつくる図書館)
(インターネット利用については身近な悩みの相談が多かった。ユニークな図書館事業の事例として、フィンランドのTampere市でのインターネットバス(パソコンが何台か載っている移動図書館。インターネット、パソコン利用法を教える)が報告され、参加者の反応も大きかった。会場からの質問では、アフリカからの参加者から自館ではカード目録が主でありサポート情報が欲しいという発言があり、それに対する参加者からの情報提供がなされるなど、全体としてボランティア精神が感じられるフレンドリーな一体感があった。)
133 SI - Management and Marketing(マーケティング:ex.図書館を1回きりしか利用しなかった利用者にダイレクトメールを出すオランダでの試み。出したうち2割が図書館に来館した。)

4.ポスターセッション(発表内容をポスターで掲示したコーナー。発表者とポスターの前で直接話ができる。)
11 Une naissance, un livre / Books for baby(ex.カナダのケベック州でのブックスタート)
32 Honoring Generations: Developing the Next Generation of Indigenous Librarians(先住民族に対する司書教育)
42 Books build bridges(スウェーデンの図書館と南アフリカの図書館との交流。第2言語が英語の学校間でメール交換や図書の交換を行っている。) ほか

5.展示会
・アレキサンドリア図書館(パピルスの複製。CD-ROM化したナポレオン資料)・国立国会図書館(近代デジタルライブラリの紹介、ハケなどの補修用品の展示)・シンガポール国立国会図書館(自動販売機型図書貸出装置の計画)・KLCC:Korea Library Company Conference(ブッカーやポータブル集塵機の紹介)など。日本図書館協会では折り紙の展示をしていた。

6.見学会「果川(ガッチョン)市情報科学図書館(京畿道)」
 日本語ボランティア(図書館利用者が応募)による案内。
・3年ほど前に開館した新しい図書館
・利用者カードには顔写真
・入館ゲート設置。荷物は入り口横のロッカー預け
・自動貸出機あり
・新着案内として本のカバーが壁に張ってある
・雑誌は製本されている
・優良利用者制度(貸出期限などのルールを守ると、バックをプレゼント、貸出制限冊数の増加など特典が)
・家族室、LL室
・情報科学館を併設。プラネタリウム、天体観測室、実験室などがあり、学校の授業でも利用されている。図書館がスタッフとして教員を雇っている。

7.ソーシャルイベント
Minister's Gala Reception(初日。観光大臣のレセプション)
Cultural Evening(伝統芸能の鑑賞)
Mayors Reception(ソウル市長のレセプション)

Q&A
Q.参加者はどこの国が多いか?開催地が韓国だからアジア系か?
A.そういう印象はなかった。アメリカやシンガポール、北欧系の国の人の発言は多かった。韓国人は同時通訳も用意されており、多かったようだ。日本人は200人くらい来ていたはずだが、会場が広いからか思ったより会わなかった。

(発表者補足)
レファレンスについての質問があったので、補足します。
私の参加したセッションでは、デジタルレファレンスがとりあげられ、また、質問も集中していました。特にQuesion Pointは、質問が集中していました。
ウェブを通じたレファレンスで、メール、チャット、掲示板など方法に関する比較報告もされていました。
世界の図書館が協力することで、24時間サービスを可能にする、といったことが考えられます。
また、言語的な協力もできる、といった可能性をもったテーマだと思います。



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