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学習会記録(第127回)

日時:2005年5月19日(木)
出席者:10名
内容:「レファレンスの達人への道−事例報告 検索エンジンvsレファレンスブック−」
発表者:辰巳 裕佳(京都府立図書館)

実際にあったレファレンス事例をもとに、それぞれ図書館や身近なツールで調べた回答を検討した。その際、レファレンスブックを中心とした紙媒体での調査と、インターネット検索を用いた調査との比較を試みた。また、館種による回答までの過程の差異や、ユニークなレファレンス事例なども報告しあった。

〔レファレンス事例報告〕
Q1.「ケサランパサラン」とは何か?またその写真が見たい。
Q2.吉田松陰の有名な句「かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂」 というのがあるがいつ、どのような状況で読まれたものか。
Q3.京都の耳塚に歌舞伎役者の名が刻まれているらしいが、なぜなのか。
Q4.藤原定家の「花鳥十二月和歌」を見たい。
Q5.「春、百花あり。秋、月あり。夏、涼風あり。冬、雪あり。もし閑事の心頭に挂(かか)ることなくんずば、すなわちこれ人間の好時節。」と言う文句の意味を知りたい。
Q6.宮沢賢治が京都で作った短歌は?
Q7.「杉原もち」の作り方を知りたい。

回答は、レファレンス事例〔回答篇〕をご覧ください。

〔感想・その他レファレンスについての所感〕
・今回、紙媒体の参考図書とインターネットでの検索と、それぞれを使った場合のレファレンスの実例を検討しようと試みた。事例によってレファレンスブック等を使ったほうが簡単に正確な答えが出るものもの、インターネット検索で手がかりを得ないと答えを探すのが難しいもの様々だった。インターネットでの検索は、情報が少ない場合に便利だが、図書資料にあたったほうがより詳しく出典などまで調べられるということを実感した。
・調べ中に周囲の人になにげなく疑問をふってみると、予想外の手がかりを得られることが多々あった。自分だけで抱え込まず、三人寄れば文殊の知恵を実行することでレファレンスを早く解決できる場合もある。
・レファレンスのベテランは、頭に蓄積されたデータベースがある。インターネットでも検索結果の出ないキーワードで、ベテランは本にあたって情報を探し出してくる。どのレファレンスツールを使えば良いかという方向性をつけることができるようにする には、経験、ねばり、教養が必要。
・レファレンスのベテランが経験から蓄積したデータベースは、インターネットで代用できる部分もあるのではないか。適切な使い方をマスターしたら便利な道具。

〔Q&A〕
Q.国会に来る利用者はどんな人が多いか?どんな使い方をされているのか?
A.統計上では奈良、京都の人が多い。近くだから、という理由で来る人もいるだろう。国外や首都圏の人も多少いる。来館しないと使えないデータベースを目当てに来ている利用者も。

Q.それぞれの館でのレファレンスの回答率は?
A.総合資料館:収集していない分野が多いので断る事も多い。
 国会図書館:関西館では所蔵していない資料も多いので、大阪府立・京都府立図書館を紹介することが時々ある。電話レファレンスは常に専任で対応する人員配置がされている。すぐに返答できない時はいったん切ってかけなおしてもらうこともある。文書での レファレンスは時間がかかる(1ヶ月以上の場合も。FAXレファレスも同様)
 府立図書館:レファレンス記録をみると、ほとんどのレファレンスに対してなんらかの回答は返しているが、カウンターが忙しかったりすると記録を取りそびれていることもあるので全体像は把握できていない。

Q.資料館で所蔵していない分野のレファレンスはどう対処しているのか。
A.府立図書館を紹介している。他館の所蔵を調べたり、神社や施設の連絡先を紹介したり、場合によっては問い合わせたりすることもある。



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