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学習会記録(第122回)

日時:2004年11月18日
出席者:14名
内容:「極私的関西館体験談」
発表者:池田 澄美(京都府立総合資料館)


昨年度まで出向していた国立国会図書館関西館についての話をされた。

1.国会図書館の組織
・国会に属する機関。本館、関西館と2支部図書館(国際子ども図書館、支部東洋文庫)で構成。
・国立国会図書館関西館は2002年10月に開館、職員は120名、東京からは20代〜30代の職員が異動。
・発表者は事業部図書館協力課研修交流係に勤務していた。

2.図書館協カ課研修交流係の仕事
(1)図書館に向けての国会図書館のサービスを広報(国会図書館全体の広報『国立国会図書館月報』は東京本館が担当)
・『図書館協力通信』(隔月刊、平成15年8月で終刊)の編集。
 平成14年度は関西館の開館やNDL-OPAC、雑誌記事索引など多くのものがネット上に公開されたので それらをどんどん紹介していった。
 仕事が印刷物という目に見える形になったのでうれしかった。
・HP「図書館へのお知らせ」(http://www.ndl.go.jp/jp/library/library_news.html
 平成15年10月から毎月第1金曜更新、図書館向け更新情報は第3金曜にも更新
 ネット上なので長い記事は載せにくく、行事案内など中心。
・メールマガジン『図書館協カニュース』配信
 HPを見てもらうためのきっかけ作りとして「図書館へのお知らせ」内の記事をピックアップして毎月第2火曜配信。

(2)国内外の図書館員を対象とした研修
・テーマ別研修
 これまでは平成12年度に公共図書館員対象の研修を実施したのみ。本格的な対外研修を行うために関西館に研修交流係が作られた。
 平成15年度は4本実施。内3本を担当
・日本研究情報専門家研修
 国際交流基金と共催でアメリカ、中国などの海外の司書15,6人を対象に行った
・遠隔研修
 インターネットを使ったオンライントレーニングを計画。(平成17年1月試験運用開始予定)

(3)その他
・開館記念シンポジウム「図書館新世紀」(2002.11.16、12.14)の実行委員等国立国会図書館ならではの業務にも携わった。

3.館内職員研修(本館総務部人事課研修係及び関西館総務課人事厚生係が担当
非常に多くの研修がある。部内研修や外部からの人を呼んでの研修もあり、希望すれば聴講可能な研修もある。(特に外部講師の物)

4.2年問の感想
・研修も多く、講師陣も豪華(有名な先生、図書館員など)
・週に一回1時間程度課内報告があり、新しいサービスや外部機関との会議、国外交流の講演など多くの報告があった。
 国会図書館はかなり業務が分断されていて、部が違うと別の館のようでこの報告で情報を共有しているのではないだろうか。
・人事異動は京都府と違い、年4回あるので、かなりせわしない。しかし職員はすぐに仕事に慣れている印象があった。知識も豊富に感じられた。
・いろんな人と知り合えたのが大きな財産。

Q&A
Q:国会図書館の司書の割合は?
A:職名としては、総務課と調査局の人以外はみんな司書という職名で働いている。
図書館情報学専攻の人は1割ほどいたようだ。
 ※出席者から数年前の新規採用者の中では有司書資格者は3割程度いたとの報告があった。

Q:支部には各省庁の図書館が含まれるのでは?
A:組織上は国会図書館の支部だが、身分は各省庁の職員となっているので、今回は含んでいない。

Q:研修で実際に受けた研修は何か?
A:新規採用職員研修と職員基礎研修(第I期)をうけた。ほかにも外部の人向けの研修を10回ほど受けた。

Q:国会の中ではなく他の県からの出向者は多いのか。
A:東京の本館にはほとんどなかったが、関西館ができるときに京都府、奈良県、京大など7人ほどが出向した。
現在は大阪府、奈良県、京都府、秋田県、京大、国土交通省、国立印刷局から出向している。

Q:研修交流係の仕事の振り分けはどうなっていたのか?
A:大まかな分担があったが、係3人なので全員で協力してやっていた。並行していろいろな業務をやっていたので、分担が集中することはあった。

Q:今後の仕事にどのように生かしていきたいか。
A:今の仕事に直結していないのでどう生かすのかは難しい。しかし得た知識は役に立つと思う。

Q:レジュメに書いてある国会図書館での図書館実習はどんな内容か
A:図書館情報大学の学生3人に対して実施。期間は14日間で本館と関西館、両方で実習を行った。



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